2021/03/17 09:46

こんにちは

豊作和牛一般販売部門の綾華です


桜の開花もチラホラ始まり段々と春めいてきましたが

朝晩はまだまだ寒い。。


早く暖かくなってほしいですね〜🌸

さて、ブログの題名に衝撃を受けた方もいらっしゃるのではないでしょうか


今日は
【和牛の評価の付け方】
に関してのリアルを少しシェアしますね

★評価基準★
①A〜C : 歩留まり評価
②1〜5:肉質評価
③BMS1〜12 :脂肪交雑評価


まず、【A〜C】というランク付けについて
これは一般消費者にはあまり関係のない"歩留まり"に関しての評価

牛さん一頭の皮、頭、内臓を取り除いた枝肉(市場でよく吊り下げられている形のもの)から取れる可食部約7割以上
→A・約6割以上→B・それ以下→C。

一頭からなるべく多く綺麗に精肉出来ること=コスパの良さ
がお肉屋さんにとって何より大切なことなので
そこに"味"は関係ありません

次に【1〜5】段階評価について
1.霜降り
2.肉の色と艶
3.細やかさと締まり
4.脂肪の色・艶・質

おおよそこの4つの指標を目安にした5段階評価です
霜降りの具合や、肉の色・質、全体的なバランスの良さや綺麗さをここで評価します。


そしてみなさんあまり聞き馴染みのないであろう
BMS】について

Beef Marbling Standard
という脂肪の交雑具合の評価
あまり知られていませんが実はこの評価こそ

世界基準


A5ランクというのは海外の人には通じませんが
BMSに関しては世界の肉牛業界
和牛を扱う飲食業界では通じます

A5ランク: No.8以上
A4ランク: No.5〜No.7
のように日本ではランクの振り分けにBMS基準が考慮されます

最高がNo.12
BMS12はいわゆるチャンピオン牛や金賞を受賞するような最高級の評価です

ちなみにこれが、豊作和牛が金賞を獲った時の枝肉です↓ A5ランクBMS12

毛細血管のように、肉全体に、繊細なサシが張り巡らしています

これを口の中に入れると、舌全体にスッと脂が溶けて赤身のところと馴染む(全て想像)
特にこの枝は皮下脂肪も少なく、肉の間に筋や脂肪も噛んでないので精肉にした時にバラけることなく綺麗にカット出来る、お肉屋さんに好まれる枝肉です

ものすごく高い価値が付きます


以上
大きく3点の基準で評価が付けられているのです

「この肉質ならきっと美味しいでしょう」
という見た目だけの評価で、この判断は全て日本食肉格付協会に属している人の目が行います。(人です。その人の主観や人間関係などが少しばかり評価に反映されることもあるのではなかろうかと個人的に疑ってしまいますので、この辺りはテクノロジーが評価に最速導入されるべきだと思います。)


ちなみに"ブランド"とは
各市場にてルールに即した飼育方法(餌など)で育てられ
各市場一定の評価基準を通ったもの

かの有名な松坂牛はブランド管理が徹底しており
称号獲得にも非常にハードルが高い
その中でも"特産"と呼ばれるものは更に希少です
これぞまさにブランディングの賜物

様々なブランド和牛に
それぞれの特徴が書かれていますが
生産者全員が同じ味、同じレベルの牛さんを同じように輩出できるはずはなく

ということは
消費者がその時たまたま選んだお肉によって

このブランドうまい!最高!となったり
え、このブランド微妙だね、、、となったりする


安全で美味しいものを一生懸命作ることに熱心な生産者さんがいる一方で、ホルモン肥育でとりあえず最低ランク目指してとにかく重量大きくして身入りを増やすという生産者さんも、最終的にはブランドで一括りにされるわけです・・




さて、少し熱が入りましたが、
ここまでのお話しでなんとなく
A5ランク=美味しいに直接結びつかない
ということが分かって頂けたのではないでしょうか

美味しい和牛の判断材料としては
見た目重視で味には責任を持たない
あまりにも客観的な評価です


その評価に私たち消費者は翻弄され、
いや、正しくは知識量があまりにも乏しいがために
上手く判断・選択できず
A5ランクだから高いお金を払います

でも値段の割にあまり美味しくない
霜降りが多いばかりで和牛ちょっと苦手
そんな偏ったイメージが現状、蔓延っています


間違いない美味しいお肉を選択したいなら、ブランド単位で選ぶよりも、肥育農家単位で選ぶのがお勧めです


情報を包み隠さず出せて、何よりもその農家さん自身が自分の育てた牛さんのお肉を美味しく頂いているか。


お米やお野菜のみならず、畜産物に関してもブランドに翻弄されることなく、もう一歩先に踏み込んだ選択が出来る日常を目指して、私たちは今後も皆様に情報を提供していきます!